お仕事内容を教えてください

子どもたちがキャンプ場に来ている時と来ていない時で仕事内容は変わります。

子どもたちがキャンプ場に来ている時は看護師として、医師や他の看護師と連携し、子どもたちの医療ケアを行っています。お家や病院で行っている処置や投薬などを、環境が異なるキャンプ場でも普段通りできるよう配慮をすることが一番の仕事です。他には、地元の管理栄養士さんをはじめとするボランティアスタッフに協力してもらいながら食事を提供しています。制限食をしているお子さんでも楽しく食べられるように、また、受身な子どもが能動的に食事へ向き合えるように子どもが選ぶことができるメニューなども考えています。

キャンプ場に子どもたちがいない時は、キャンプに参加予定の子どもたちのマッチングコーディネートをしています。事前にキャンプの説明会を開催したり、場合によってはお家を訪問して説明をしたりすることもあります。飛行機のチケット手配なども行いますし、車いすユーザーや人工呼吸器を使って生活しているお子さんが安全に飛行機に乗れるよう航空会社と調整をすることもあります。キャンプ前日には電話で体調の確認をし、当日は空港で参加者の皆さんを出迎えます。キャンプが終わった後も、必ず電話で体調をお伺いし、キャンプに参加していた時の様子をお話ししています。

そらぷちキッズキャンプで
働き始めたきっかけを教えてください

そらぷちキッズキャンプがボランティアスタッフを募集しているのをたまたま知って、参加したのがきっかけです。当時はまだそらぷちが任意団体だった頃で、看護師もいませんでした。

キャンプで働く前は東京や横浜で小児科の看護師をしていました。その頃から、単に医療を提供するだけではなく、子どもたちが子どもらしく入院生活を送れる環境づくりにも力を入れていました。例えば、子どもたちが外に出るきっかけになるように、病院の敷地に花壇を作ったこともありました。ちょっと変わった看護師だったと思います（笑）

北海道には親戚も友人もいないので、移住することに対して不安はありました。でも、いろいろな病気とたたかう子どもたちのために、自分の知識や経験が役に立つのではないかと思い、チャレンジすることを決めました。

働いていて大変なこと、良かったことは何ですか？

そらぷちキッズキャンプは全国的に見ても珍しい取り組みを行っているので、参考にできそうな見本があるわけでもないですし、失敗しないやり方がどこかに書かれているわけでもありません。手探りで正解を探していくので大変なことも多いですが、それが逆におもしろくてやめられないです（笑）。

キャンプは子どもたちやその家族のためのもの。なので、何か分からないことや悩むことがあったら、「あの子だったらどうしてほしいかな」とか「あのお母さんだったらどうするかな」といった具合に、相手を想像しながら進めるようにしています。

キャンプには医療関係者をはじめ、さまざまな分野の方が関わっています。つらいこともありますが、仲間と苦楽を共にすることによって、お互いへの信頼はより強くなったと感じています。

印象に残っているエピソードはありますか？

小児がんとたたかう子どもが参加してくれたときのことです。

その子は、以前は歩けていたのですが、ベッドでの生活が続いたことで、筋力が弱ってしまい、車いすを使うようになっていました。

キャンプへの参加が決まったのを機に、キャンプに向けて歩行の練習を始めました。でも、なかなか予定通りにはリハビリが進まず、結果キャンプ中は車いすで過ごそうということになりました。

ところが、当日キャンプ場に着いたとたん、なんと自分からすっと立って歩き出したんです！ 他の参加者が楽しそうに遊んでいるのを見て、「自分で歩いていきたい」と思ったのでしょう。帯同していた主治医の先生もびっくりしていました。

キャンプがその子の一歩を後押しするきっかけになりました。このようなエピソードがそらぷちキッズキャンプには数えきれないぐらいあります。

今後のビジョンを教えてください

これまでのキャリアで、いろんな病気について学んできました。でも、まだまだ知らない病気もあるので、もっと学んで知識を広げ、そらぷちキッズキャンプのために役立てていきたいです。

また、子どもたちの将来の選択肢を増やす手助けができたらいいなと思っています。入院している子どもたちは、将来の夢を聞かれたときに看護師や医者と答えることが多いんです。それは他の職業の方に出会う機会がなかなか無いのも大きな理由の一つです。キャンプの運営にはボランティアスタッフとして、学校の先生、介護士、歯科衛生士、公務員、会社員、農家など、さまざまな方が関わっています。子どもたちが多くの職業を身近に感じることができる絶好の機会にもなると思います。

休日の過ごし方

周辺の日帰り温泉を巡ったり、北海道ワインを楽しんだりして休日を過ごしています。今度、ワインのぶどう摘みにも行ってみたいです。

仕事の流れ

スマホの中、見せてください！

美しい自然と子どもたちの笑顔。そらぷちキッズキャンプだからこそ出会える景色があります。何気なく見える日常も、大切な思い出のワンシーンです。

スタッフが見る、宮坂さんのよいところ！

• 食への追求がストイックなところ。地球の恵みに感謝していることが伝わります。
• 真っ直ぐな心を持っているところ。キャンプに来る子どもたちのことを最優先に考えています。ニーズを丁寧に聞いて、キャンプ場で応えてくれます。
• トラブルが起きても、冷静に対処するところ。とても頼りになります。事前にリスクを把握し、みんなに注意喚起をしてくれるのも助かります。
• ホスピタリティに溢れているところ。人柄が素敵です。
• 気配り上手で、愛情深いところ。ちょっとした体調の変化や気持ちの不調も見逃さず、完璧なフォローをしてくれます。
• 的確な意見を持っているところ。業務の改善点を分かりやすく話してくれるので、勉強になります。